『私』は、無限の宇宙に広がり、隅々まで感じる事ができた。
愛・憎悪・安心・恐怖・祝福・嫉妬・苦痛・快感・・・
あらゆる感情、あらゆる感覚が溶け込んでいる。

大きなうねりに翻弄され、一喜一憂する魂。
不幸のどん底だと悲観しているすぐ傍に幸福の渦があったりする。
天国も地獄も入り乱れ渾然一体となっている宇宙。
天国の渦にいて嬉々としてる魂も、いずれ、別の渦に遭遇する。



様々な魂を傍観していた『私』は、ふと、林檎が食べたいと思った。